■日時: 令和6年10月26日  ■句会場: 紙上句会  ■兼題: 独  ■参加者: 15名

合点 作      品 作 者 選     者
6 追分の一節長し秋うらら まつのたく ○つとむ けいし 弘香 満智子 悦子 誠山  
5 海光や稲村ケ崎の磯渡り 水貴 ひろ子 いづみ 悦子 綾子 とをる  
5 みほとけは小指を頬に秋気澄む 尾形誠山 貞雄 つとむ ひろ子 ○とをる 水貴 
4 独り言言いつつ老婆いなご取り 佐藤いづみ けいし ひろ子 たく 玲華  
4 奔放に一山覆ふ葛蔓 竹田ひろ子 つとむ たく 悦子 ○水貴 
4 道に干す魚網の匂う秋入日 名倉悦子 貞雄 ○けいし 弘香 綾子  
3 しろがねの光の微塵そばの花 金田けいし 貞雄 つとむ 悦子  
3 独居して老いもよろしき菊膾 佐藤弘香 綾子 ○玲華 誠山  
3 北海のうねりの調べ雁渡る まつのたく けいし 満智子 ○悦子  
3 散策の千歩万歩や草紅葉 佐藤弘香 貞雄 けいし 綾子  
3 ちちろ鳴く洗ふ食器の独り分 金田けいし ○ひろ子 満智子 玲華  
3 身に沁むや捨つる終活母のもの 阿部綾子 ○貞雄 たく いづみ  
3 草もみぢ古墳めぐりの独り旅 金田けいし いづみ たく 水貴 
3 惜秋や独りが怖くなる齢 田中貞雄 ひろ子 いづみ 綾子  
2 風爽かやがて独りになる戸籍 竹田ひろ子 いづみ 誠山   
2 神職の祓い清めし黄金の田 名倉悦子 ひろ子 弘香  
2 人生の色合ひの皺秋の暮 まつのたく 誠山 とをる  
2 曼珠沙華独り楽しむ迷ひ道 まつのたく 貞雄 悦子  
2 あわ立草荒れし田畑を黄色くす 佐藤いづみ 玲華 水貴 
2 今日何食べた夕暮れの秋鴉 阿部綾子 つとむ 満智子  
2 弟てふ遠き記憶や草の花 降幡加津 ○いづみ とをる  
2 すぐ乾く八十路過ぎての髪洗ひ 阿部綾子 貞雄 とをる  
2 米作り農家の矜持新嘗祭 金子つとむ ひろ子 水貴 
2 時を得て蔵に満ち来る新酒の香 竹田ひろ子 弘香 悦子  
2 抽斗に忘れ去られし木の実独楽 尾形誠山 けいし 満智子  
2 曼殊沙華枯れて淋しき紐一本 佐藤弘香 とをる 水貴 
2 釣瓶落し汐木焚く煙収めけり 田中貞雄 弘香 誠山  
2 震災の庁舎遺構の愁思かな 佐藤玲華 けいし 綾子  
1 ライトアップ広ぐ稲ぐひ棚田かな 佐藤玲華 貞雄  
1 われ独り月も一人や耀うて 降幡加津 ○誠山  
1 朝寒の通勤バスの急停車 尾形誠山 玲華  
1 晩秋の物憂い日々や猫と居り 佐藤弘香 ○綾子  
1 足元の星の残れり木犀香 水貴 たく  
1 ご近所の期待をよそに柿不作 田中貞雄 つとむ  
1 ライン越えテニスコートに蜻蛉かな はせべとをる 玲華  
1 霜の来る前の盛りやダリア園 金子つとむ 弘香  
1 一人旅神の留守なるみちのくへ 竹田ひろ子 いづみ  
1 過ぎ去れば夫の独断秋麗 阿部綾子 ○満智子  
1 丹精のつや姫捧ぐ新嘗祭 金子つとむ 弘香  
1 さわやかや青空のもと山車祭 佐藤いづみ つとむ  
1 穂芒のくすぐられて登山かな 水貴 とをる  
1 秋遍路使ふ事なきパスポート 佐藤満智子 誠山  
1 豊の秋今日の料理のテーマ曲 尾形誠山 ○たく  
1 海のぞむ稲刈る棚田遠汽笛 金田けいし 貞雄  
1 秋うらら独りの午後の映画かな 佐藤玲華 満智子  
1 独り身となりて解るや枯芒 佐藤満智子 玲華  
1 地球独楽揺れて傾きすさまじや はせべとをる 水貴  

 
  柿の木句会メモ

  田中貞雄特選

   阿部綾子 身に沁むや捨つる終活母のもの
    選評   終活は、人生の終りについて考え、備えるための活動である。私もその年
        齢となっているがなかなか気が進まない。掲句は本人の終活作業か、母の終
        活の後始末の整理か、どちらにしても母との思い出のものの整理は踏ん切り 
        が付かない気持ちに同情している。
   
       〇

   みほとけは小指を頬に秋気澄む

   次の歌を想起した。
   
   はつなつ の かぜ と なりぬ と みほとけ は

     をゆび の うれ に ほの しらす らし  会津八一

   11月 紙上句会

   11月兼題 『 加 』 田中貞雄さん出題
  
   投句締切 11月18日(月)
   選句締切 11月23日(土)

   兼題1句・雑詠3句・出句控・出句料千円同封にてご送付下さい。

   投句先  竹田ひろ子