作      品
選      者
鎌倉の座標軸なり枯銀杏 けんじ 曲水 貞雄 ○よしき
岬紅葉やつれて漁港年用意 ○のぶ子
極月の揚げ舟に拠る鳶からす 曲水 東子 一美 ○弘香 
倶会一処水子地蔵と石蕗と菊 ○けんじ 貞雄 のぶ子 なつ
冬凪を漁る舟は沖の綾 貞雄 弘香 ○直枝 よしき


作        品
作   者
選       者
特 選 ゆく年や貝の宿れる汐木焚く 石田快泉 けんじ 貞雄 暢子
浮標とロープの小貝剥がすも年用意 田中貞雄  
観音の膝下けんちん汁ぬくし 中田のぶ子 ○けんじ
秀 逸 還暦をごろりと廻す経蔵冷ゆ 菅野雅生 けんじ 貞雄 東子 弘香 よしき
白木蓮寺領ゆたかな冬芽かな 鈴木直枝 快泉 雅生
冬芽抱きひたすら眠る段葛 大西よしき  
水子旗はためく冷えの離れざる 田中貞雄 東子 雅生 ○政子
佳 作 新物の出揃い豆屋の師走かな 田中一美 けんじ 貞雄 暢子 雅生 まりの
金の箔空にかさねつ散銀杏 鈴木直枝 けんじ 曲水 快泉
冬かげろう本俵干す浜庇 田中貞雄 暢子 政子
小春日や長谷に客引く人力車 佐藤弘香  
放生池蒔絵ちらしの散る紅葉 石川曲水 宏枝
和田塚に枯葉の嵩や黙深し 加賀暢子 なつ
三汀像横向きにする冬強日 田中貞雄 けんじ 曲水
蜃気楼のごとく帆の浮く冬の凪 遠藤けんじ  
幼な子の手形にも似し落紅葉 佐々木なつ ○快泉
冬浪の起ちたるときのひかりかな 中島宏枝 曲水
潮傷みして石蕗の花吹かれけり 石川曲水  
裏表陽に彩重ね紅葉落つ 佐々木なつ 一美
おわかれをしに来たやうに冬の蝶 石田快泉  
網稲架組む大き結び目冬日爆づ 田中貞雄 けんじ
骨塚は無人駅なり柚子日和 加賀暢子 政子
撫で仏の撫で跡黒き寒の木瓜 佐藤弘香  
黄葉降る仏と言へる石塊に 石田快泉 けんじ 暢子
輪藏の眩暈授かる冬紅葉 盛戸まりの ○暢子 なつ
目つむるや紅葉いろなる滝の音 鈴木直枝  
極月の経蔵廻す心模様 中島宏枝 貞雄 ○雅生 まりの
外国の流木混ぜて浜焚火 加賀暢子 快泉 のぶ子
若やぐや冬の渚のさくら貝 田中一美  



作            品
作    者
選       者
さざ波も小春日を得て由比ヶ浜 大西よしき ○けんじ
万両の赤し今年も越せそうな 石川曲水 けんじ ○貞雄
冬の陽をガラスのトゲと海の面 鈴木直枝 けんじ 宏枝 
口中の板チョコ熔けて冬桜 舩山東子 けんじ 曲水
紅葉の根は弁天の子へ届く 盛戸まりの ○曲水 弘香
浜焚火さえぎる何もなかりけり 中田のぶ子 曲水 ○一美 なつ
大黒天袋の中は落葉かも 菅野雅生 曲水 貞雄 宏枝
緋の衣ぬがせ給うな落葉風 鈴木直枝 曲水
七色のヨット快走小春凪 加賀暢子 曲水
蒼天を渚に映す冬の凪 中田のぶ子 ○曲水 政子
ヨットてふ季語消す数や小春凪 菅野雅生 曲水 直枝 よしき
燈明の揺れ身の揺れよ冷ゆるかな 舩山東子 曲水 ○貞雄 のぶ子 一美
裸木の枝山側に曲がりけり 大西よしき 貞雄 まりの
冬芽立つ白木蓮の防護服 佐藤弘香 貞雄
水底の落葉供養やまんじ池 鈴木直枝 貞雄 宏枝
献灯の炎は冬紅葉より濃き朱 中田のぶ子 貞雄 まりの
冬雲の海より湧きて長谷の風 佐藤弘香 ○東子 のぶ子 政子
大空や疵なき冬の桜貝 盛戸まりの ○宏枝 雅生
大銀杏空へ孤高の全裸身 遠藤けんじ 快泉 ○なつ よしき
窟仏の皆まちわびる煤払い 田中一美 ○まりの

 


鎌倉駅前(西口)小公園の時計台

あとがき

 本年はNHK大河ドラマ「北條時宗」の放映に因み、1月、時宗の出生の地に近い「甘縄神社」 を吟行してから1年が経ち、12月は長谷観音の紅葉鑑賞でしめくくりましたが、今回で吟行を 開始してから120回、満10年となりました。因みにこの1年の延べ参加者数は263人(月平均 21、9人)でした。ご協力ありがとうございました。  なお、12月ろんど誌にご案内しましたが、10周年を 記念して、吟行の記録集の作製を計画しております。 この谷のつどいに1回でも参加された人は有資格者 です。是非、作品と鎌倉の吟行の思い出の記をお寄 せください。よろしくご協力のほどお願いします。

 

参加者名簿 17

鳥居おさむ  石川曲水  石田快泉  遠藤けんじ   大西よしき 加賀暢子 佐々木なつ 佐藤弘香
菅野雅生  鈴木直枝  田中貞雄  田中一美  塚本政子   中田のぶ子  中島宏枝  舩山東子 
盛戸まりの 

良き年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。


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